こんにちは、りゅうです。
今回は資金繰りに悩まされている中小企業の社長についての話です。経営が一時的に悪くなった場合に銀行ではよく行われる、借入金返済のリスケジュール(一定期間借金の返済をストップさせること。以下リスケといいます)について、どうも社長と銀行で認識が違うように思えたことがありましたので書きました。
- 社長とお金は切っても切れない関係
- 銀行員はよほどのことがない限り「お金返して下さい」なんて言いません。
- 社長と銀行員の資金繰りに関するイメージの乖離
- 経営改善計画書は自分で作った方が良い
- 税金は、払え
- まとめ
社長とお金は切っても切れない関係
中小企業の社長は日々資金繰りに悩まされていると思います。
「企業経営者は孤独。来月の資金繰りが気になる。できれば銀行融資に頼りたくない。借金増やしたくないから。でもなかなか借金が減らない。こんな借りにばかりくる会社のこと、銀行の支店長はどう思っているんだろうか・・・。」
仲良くなった中小企業の社長から過去に聞かされた話です。なかなか周りに打ち明けられない気持ちを話してくれました。
実際、かなり行き詰まるまで悩んでいる経営者多いです。でも銀行は利害関係者だから相談しづらいんですよね。
経営の相談相手はたいてい税理士です。銀行員は残念ながら2割に満たない。
(出典:中小企業庁|2012年版中小企業白書)
税理士と相談できる環境がある人はマシなほうで、ただ記帳だけを行ってるような税理士が顧問税理士だった場合などは、経営者が孤独になりやすいです。
会社設立以来の付き合いだからと、良い仕事をせず報酬分働かない税理士と付きあい続ける経営者がホント多いんです。普段、期末の確定申告だけお願いしている程度なので、資金繰りの相談なんてとてもできない、困った、となります。
ちなみに余談ですが、事業規模がフリーランスになると、あまり人を頼らない傾向もあるみたいですしね。それはそれで強い・・・(^_^;)
(出典:中小企業庁|2015年版中小企業白書・小規模企業白書について【PDF】)
たとえ親族に相談して、お金を借りることはできても、効果は一時のもので資金繰りの課題は解決しないでしょう。
お金の出血を止めるには、銀行にリスケをお願いするのが一番の早いと思います。出血が一時的なものなら、追加融資で対応するのもありだと思うんですが、しばらく厳しい局面が続きそうなら、いっそ返済棚上げにしてしまったほうが良いです。リスケが実現すれば、資金繰りが楽になるし、社長個人の心労も多少は和らぎます。
銀行員はよほどのことがない限り「お金返して下さい」なんて言いません。
平成21年に施行された金融円滑化法は相当強力で、いまなお銀行および信用保証協会はリスケに協力的です(日本政策金融公庫はリスケに厳しいイメージですが)。借入金の一括返済を迫るようなことはよほどのことがない限り起こらないと言っていいんじゃないかと思います。
融資担当者から言わせれば、一括返済を迫ることほど面倒なことはないです。一括返済を迫る相手は、たいてい返すアテがありませんから、担当者は「絵に描いたような借金取り」を演じなければならなくなりますからね。
それより、さっさと1年くらい返済ストップさせたほうが銀行にとっても良い。突然会社が潰れるより、精神衛生上もとても良いです。何の連絡も無しに突然取引先から「弁護士の受任通知(事実上の倒産通知)」が届いたときのショックといったら、、、
返済ストップした分、追加融資は返済再開しないと厳しいので、まとまったお金が必要なときにリスケを依頼するのはおすすめしませんが、そうでない限りはさっさとリスケしてしまったほうがいいです。
社長と銀行員の資金繰りに関するイメージの乖離
融資担当者は前述の通りリスケに対し比較的好意的ですが、社長はそうではありません。
「返済条件を変更することは格好悪いこと」とか、「銀行に弱みをみせるわけには・・・」とか、なかなか相談しづらいようです。
社長も銀行も、会社が倒産することが一番困ることです。そのために先手を打つことは何も悪いことではありません。
1年くらいは返済ストップしたっていい。さすがに2年で経営を持ち直せないと、ずるずると返済ストップを引きずることになることが多いですが、2年以内で業績が好転する会社も多いです。
経営改善計画書は自分で作った方が良い
リスケをするにあたり「経営改善計画」作ることになりますが、これはできれば銀行を頼らず社長自身が、最初は誰にも支援を受けず作った方が良いです。
基本的に計画書は自分で作るものなのですが、時間がなかったり、社長が面倒ごとを嫌うと、銀行員がこれまでの実績から勝手に計画を作って稟議を作成したりします。これでは意味がないです。
自分で計画を作ることによって「経営の何が悪かったのか」「自分の会社の強みはどこか」といったいわゆるSWOT分析ができますし、これまでの売上実績だったり商流が分かっている人が作った方が、よほど実効性の高い計画ができます。
計画の作り方には触れませんが、向こう3年くらいの、ごく簡単な損益計算書だけ作るだけでもそれなりに効果があるように思います。特に売上や利益については、月次ベースにブレークダウンすることによって、身近で具体的な数字になり計画を意識しやすくなるのでおすすめです。
税金は、払え
リスケ相談を銀行に持ち込むことによって、新たな問題が出てくることがあります。
税金を滞納していることです。銀行は税金を滞納していると、リスケを受け付けてくれません。なぜなら、仮に会社が倒産したら銀行の貸出金より税金の返済が優先されてしまうからです。
何故ここで?と思われる方がいらっしゃるかもしれません 黒崎が好きだからです #半沢直樹 #黒崎大阪国税局統括官 ・Twitterヘッダーです ※『半沢直樹』を観た方にしかわかりません、ネタバレになるかも? よければRT願います pic.twitter.com/9M400E24Kq
— 結鬼 (@Mi_Za_Ki) 2013, 10月 15
以前社長から「日頃お世話になっている銀行さんに優先して返済したい。税金ばかりとられてたまったもんじゃない」と言われたことがありますが、とんでもない!さっさと税金を払ってください。
税務署が嫌われ者になるのは、なんとなーく仕方ないイメージがありますが、払わないでいると高額な延滞税(場合により年率10%以上)かかります。分割納付を認めてくれることもありますが、やはりそれなりに税金はとられるようなので、約定利息が安い銀行の借入金返済を先送りにした方が、経営が楽になるはずです。
なので、税金(所得税等の税金、社会保険料など)については銀行以上に緊張感をもって対応するようにしましょう。窓口はやさしいんですけどね(^_^;)
まとめ
長年銀行との付き合いが長い会社ほど、支店長との関係を重視してリスケを切り出せないことが多い印象です。融資担当者も、実績にならないリスケは自分からは切り出せないこともあるかと思います。
これを読んで少しでもリスケに対する知識だったり、認識が変わって神経すり減らす人が減ったらと思います。