融資先・投資先などを基に、銀行を格付する「フェアファイナンスガイド」というものがあることを知りました。メガバンクを中心に格付されています。
銀行の投融資方針を15テーマ、のべ273項目のスコアで徹底格付け。 世界7カ国でグローバルに展開するキャンペーンです。 どの銀行がよりフェアな方針をもっているかチェックして、自分の銀行にメッセージを送ってみましょう!
気になるスコアリング結果は以下の通りです。
フェアファイナンスガイドスコア一覧
(引用元:Fair Finance Guide Japan http://fairfinance.jp)
なるほどわかりやすいですね!総合点ではみずほ銀行が23%とトップです。
次回に期待したいこと
なかなか銀行の内部にいるときは融資先でも預金先でも株主でもないステークホールダーの存在を意識することはありませんでしたが、格付会社以外のこういった「テーマ型の格付」も、これからは重要視される時代になってくるんだと思います。
毎年格付を公表しているようですので、次回から実現可能であれば以下のことを期待したいです。
スコアの根拠がわかりづらい
評価基準がPDFで公開されていますが、ちょっとよくわかりませんでした。
恐らくディスクロ紙や有報等による一般的な情報に基づいて評価しているのでしょうけれども「この基準に適した、あるいは適さなかったので、このスコアになった」といった具体的な記載がありません。%(ポイント)での評価は項目ごとの基準に何割適合したか、ということなのかもしれませんが、スコアについての具体的な根拠が明示されていないのでスコアに今ひとつ信憑性がありません。
評価基準自体は国際的に一定の評価があるものなのでしょうし、小項目ごとに点数を明示できたら、より説得力が出るのにと思います。個人的には農林中央金庫が林業・漁業でゼロってことはあり得ないと思うんですが。
ブラック企業から融資を引き上げない手もある
いわゆる「ブラック企業」に投融資をやめろと訴えています。
確かに、ブラック企業の存在は大きな問題です。当該企業に対しては金融機関も財務面だけではなく、社会的な信用面について一定の評価を行った上で融資継続の可否を判断する必要があります。しかしながらブラック企業だからという理由で融資が悪いとか、そういった論調はどうなのかなと思います。
銀行融資は企業の成長性を重要視します。成長が見込める前提であれば、社会の目で厳しく評価される市場と共に労働環境の改善を、債権者としての立場から企業に働きかけていくことは、銀行の社会的責任だと思います。そういった取組について評価されるべきです。ブラック企業だからといった理由で投融資を引き上げてしまったら銀行の声は届かなくなります。
まとめ
・金融機関を社会的な目線で評価することが今後増えていきそう
・格付の表自体はわかりやすいけど、具体的な内容があれば更に良かった
・ブラック企業への投融資は引き上げるだけではなく、債権者としての立場での社会貢献も考慮すべき