銀行員の決算書の見方シリーズ基礎編② かんたん!貸借対照表の見方

銀行員の決算書の見方シリーズの第二弾です。

前回は銀行員が決算書をみる際に、まずは次の3つの書類に絞ってみようと書きました。

・表紙

・貸借対照表

・損益計算書

今回は「貸借対照表」の見方について書いていきます。

貸借対照表は3つの書類の中で最も大切な書類です

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(画像の数字は適当です。すみません。)

決算書は、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、個別注記表、キャッシュフロー計算書(中小企業の決算書ではあまりみられませんが)等で構成されていますが、その中でも最も大切なのは貸借対照表です。
初心者のうちは貸借対照表はスムーズに頭に入ってきません。それは、損益計算書が大変分かりやすい構造になっているため、どうしても損益計算書を中心に決算内容を考えてしまうからです。
新聞の見出しなどに「●●自動車、増収増益」「▲▲電機、減収減益」と書かれている記事を目にするのも一因としてあると思います。損益計算書も大切ですが、融資担当者として大切にしたいのはあくまで貸借対照表です。新聞に載るような会社の損益は投資家のための情報です。
貸借対照表も見ずに、損益計算書をすぐにに見て、「社長!売上も伸びて増収増益で黒字ですね!」などのコメントをしてしまう担当者になってはダメです。(決算内容がよければ社長も嬉しいのかも知れませんが…)

貸借対照表については分かりやすく解説する本もありますが、初心者のうちはそれでも分かりづらいのは事実かと思います。ですので、突然決算書の受領を命ぜられても、少しでも内容がわかるように、これから以下の通り色分けをして、見方を解説していきます。

流動資産、固定資産、流動負債、固定資産の4つにわけるだけ!

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「流動資産」「固定資産」「流動負債」「固定負債」のそれぞれの合計が貸借対照表を理解するポイントになります。融資先の企業に決算書受領のために訪問して、社長から決算書を受け取って貸借対照表を見た瞬間に、すぐに色分けができるようにしてください。総資産、負債・純資産合計については同じ数字ですが、4つの数字を活用する際に使う数字になります。

 

そのうえで、以下の矢印を加えてください。

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資産の部(左半分)においては、流動資産の一番上部に記載のある「現金預金」の割合が高いことが一番の安心材料である、ということは最低限おさえてください。総資産の金額に比して高ければ安全性の高い会社ですし、極端に低いようならば危険な会社ということになります。

負債の部(右半分)においては、固定負債の一番下部に記載のある「長期借入金」が一番の安心材料である、ということですが、これについては業種によりまちまちですので、以下の業種別に4つの数字が大きくなる代表的な業種をまとめましたので参考にしてください。

■流動資産の比率が高くなる業種

例:小売業、卸売業、サービス業全般
(理由:在庫商品等が1年以内に販売できるサイクルであり、大規模設備を有しない場合が多い)

■固定資産の比率が高くなる業種

例:製造業、運輸業、宿泊業、病院等 
(理由:土地建物や機械等の大規模設備を有していることが多い)

■流動負債の比率が高くなる業種

例:建設業、パッケージ型ソフトウェア開発業
(理由:工期や開発期間が1年以内で売掛先1件あたりの金額が大きく、前受金あるいは短期借入金が増加することが多い)

■固定負債の比率が高くなる業種

例:リース業、運輸業

(理由:車両機械等の入替が常時発生するため長期借入や長期支払手形が計上されていることが多い)

簡単にいえば、持ち物が多い会社ほど固定資産・負債が多い、ということです。矢印の図の参考までに頭の片隅に入れておいてください。

借金が多いのは悪い会社?

これまで書いた内容から、4つの数字は業種によって構成要素が様々であることがおわかり頂けたかと思います。
負債の部の最下部は「安心材料」と説明しましたが、例えば長期借入金の場合、返済も長期分割払いになっていることがほとんどですし、社債は中小企業の場合私募債がほとんどで償還期間は長期設定ですので、すぐには会社は潰れないという観点からいえば、やはり安心材料であるとは思います。
 

まとめ

・決算書の中でも「貸借対照表」が最も大切

・貸借対照表は色分けして理解して、矢印をつかってビジュアル化する

・業種により、4つの数字のどれが高くなるのか理解する

 

今日はここまでです。

つぎは4つの数字について、具体的にどこをみればよいのかを書いていきます。

 

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