銀行員の決算書の見方シリーズ基礎編④ 貸借対照表のまとめ

銀行員の決算書の見方シリーズの4回目です。

今回は、貸借対照表の見方ラストです。

 

初めての方は最初のエントリーからご覧ください。

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前回までは流動資産について解説しました。

今回は、その他の数字についてまとめて解説します。

 

固定資産のポイント

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固定資産の科目でみるべきポイントは以下の2つです。 

不動産がどれくらいあって、保険にどれだけ入っているかと思えばOK

固定資産は文字通り「固定」された資産が多いので、流動資産の見方と比べればざっくり見て構わないと思います。
ただし、大きな変化は見逃さないようにしてください。不動産は多くの会社で重大な投資であると考えられますので増減には特に気をつけましょう。もし増えていれば「営業所が増えたのかな?」と考えることができますし、減っていれば資産を売却したことも考えられます。
建物や機械については減価償却されますので初見では判断しづらいです。初心者であれば土地だけでも数字の増減に着目して増減を見逃さないようにしましょう。

 

やっぱり長期貸付金はアウト

前回説明したように貸付金はアウトです。1年以上の貸付金は長期貸付金として計上されていることがありますので見逃さないようにしましょう。

流動負債、固定負債編

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支払手形・買掛金は増減だけチェック

着目点は売掛金の項目で説明したのと同様です。買掛金上位3先は重要な仕入先ですので、その変化を見逃さないようにしましょう。

借入金の規模や役員借入金に注意!

ここには「短期借入金(1年以内要返済長期借入金を含む)」「役員借入金」「長期借入金」が計上されます。
役員借入金を除いた借入金額(有利子負債といいます)が、売上高を上回るようであれば、借入金が多すぎますので注意しましょう。ただし、固定資産や固定負債が比較的高くなる業種(製造業、病院、リース業、運輸業、不動産賃貸業等)は大規模な投資を行っていることが多いですので、有利子負債も高止まりする傾向にあります。


役員借入金は社長やその他の役員が会社に貸したお金をいいます。借入金であることは変わりませんが、返済を迫られる性質のお金ではないので、会社にとって「安心なお金」であると考えて構いません。
借入金明細については、当然前回決算書を事前に確認しておきましょう。特に借入上位先はメインバンクですので、事前に知っておかないといらぬ恥をかくことになりますので気をつけましょう。

 

最後の最後に・・純資産編

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とりあえず全体がマイナスでなければOK

融資初心者であればこのくらいの認識でよいかとおもいます。全体がマイナスの状態を「債務超過」といい、会社の資産をすべて売り払ったとしても負債が残る状態ですので、創業間もない会社でない限り、会社の財務状況は最悪といっていいです。

繰越利益剰余金がマイナスはちょいアウト

繰越利益剰余金は、過去の決算が赤字であればマイナスになりますし、黒字になるとプラスになります。銀行は赤字の会社にはお金を貸さないと思われがちですが、そんなことはありません。中小企業の80%は赤字と言われます。私が融資担当者だった時も多くの中小企業は赤字決算でしたが、融資を行わない、ということはありませんでした。

 

融資初心者であれば、純資産の部は、とりあえず数字がマイナスでなければOK!と思ってもらえば良いと思います。

 

まとめ

・固定資産は、細かい数字は覚えなくて良いが変化は敏感に捉える!
・有利子負債、役員借入金の性質を理解する
・純資産はマイナスでなければOK


次回は損益計算書の見方について解説していきます。

 

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