銀行員の決算書の見方シリーズ基礎編⑤ 銀行は損益計算書をこう見ている!

銀行員の決算書の見方シリーズの最終回です。

今回は、損益計算書の見方を解説します。

初めての方はこちらを先にご覧ください。

 

損益計算書のみるべきポイントは「売上高」「経常利益」「減価償却費」「役員報酬」の4つ

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売上高は月商に引き直して使う

これは前回までにお伝えしたとおりです。単に売上が増えた、減ったではなく、対月商比で貸借対照表の現金預金や売掛金を見るようにしましょう。

銀行員が見るべき「利益」は経常利益

損益計算書には「売上総利益」「営業利益」「経常利益」「税引前当期利益」「(税引後)当期利益」と様々な利益があります。初心者であれば経常利益がプラスか、マイナスかに着目しましょう。

「経常」とは常に一定であるという意味で、災害損失や保険金収入等の一度限りで今後発生確率が低い数字は除かれています。銀行はあくまで、事業の継続性を判断できればいいわけですから、常日頃の実力が現れる経常利益を見れば良いのです。

ポイントは経常利益+減価償却費

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減価償却費は特殊な科目です。財務を勉強する際に最初のうちは理解に苦労するのですが、利益と同じくらい大切なものです。

減価償却費は簡単に言えば、費用として計上されるのにお金は減らないという性質を持っています。上記の経常利益をキャッシュの観点からみれば、お金が減らない減価償却費分が余計に引かれているので、当期に生み出したキャッシュをみるには経常利益に足す必要があります。

仮に経常利益がマイナスでも、減価償却費を足してプラスであれば、会計上赤字でもキャッシュに対する影響は軽微であると認められるので、銀行に対する見た目は変わってきます。

また、減価償却費が計上されないことがあります。税務上は減価償却費の計上は任意ですので、経常利益の見た目を良くするために、あえて減価償却しない選択もできるのです。

しかし、会計上は本来計上すべきものですので、見た目を良くするためだけに減価償却しないのは印象最悪です。大幅に資産が増加するなどの特殊要因がない限りは、減価償却費は前年比でほぼ同等となりますので、変化の見極めがしやすいと思います。

役員報酬の増減をみる

役員報酬は社長一族への給与ですが、これが前回決算より増えているか、減っているかは重要です。社長は悪意を持ってすれば会社を食い物にできる立場にあります。銀行の融資金が多額の役員報酬に充てられていないかということに目を光らせてください。

 

まとめ

・貸借対照表と同様に、前期の決算書を読み込んでからみる

・売上高は÷12をしてみる

・経常利益+減価償却費がプラスかどうかがポイント

・役員報酬の変動に特に注意する

最後までご覧頂きありがとうございました。

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