こんにちは、りゅうです。
普段皆さんが使っている銀行が、駅前に複数あったりしませんか。
実は同じ銀行であっても支店別にランク分けされており、それぞれ特徴があります。うまく活用すれば、銀行と有利に取引ができるかもしれないお話です。
営業店には「店格(てんかく)」というものがある
店格とは、支店のランキングのことです。
銀行の支店は、出店地域によって性格が全然違うんです。例えば、住宅街のど真ん中にある支店と、都心の一等地にある支店では役割が大きく違います。
住宅街にある支店であれば、その住宅街の住民が主な顧客になります。個人取引が多くなるので、投資信託や個人定期などの資産運用部門などが営業の主力商品になります。新興住宅地であれば、住宅ローンが主力になります。
都心の一等地にある支店では、大企業との取引がメインになるので個人客はほとんど相手にされません。
窓口も少なめで、来店客からは見えないバックオフィスに営業人員がデスクを構えています。一見普通のオフィスフロアのような、銀行っぽくない支店もあります。
それぞれ地域特性を反映した店作りを行っており役割が違うので、店格ということばで一括りにはできないのですが、銀行の内情として店格が違うと融資の決済額に大きく影響します。
融資を行う場合、その判断は基本的に銀行の支店長が行います。
支店長権限での融資決済額は店格によって厳密に定められています。個人客が多ければ、額の大きな融資は少なめですから、最小限の決裁権限を本部から与えられます。
一方、大企業が多い支店では、決裁限度額を大きくしておかないといちいち本部決裁を仰ぐことになりますから、限度額は多めに設定されています。
店格上位のメリット・デメリット
では、店格が上位の支店であれば、すなわち利用者にとってメリットはあるのでしょうか。それぞれメリット・デメリットを列挙しました。
メリット
多額の融資が早く決裁される可能性が高い
支店決裁であれば、決裁者の人数が少ないので審査に要する時間を短縮できます。本部決裁の場合は役員まで稟議が回ることもあり、難しい案件であるほど相応の時間を要します。
審査部への影響力
支店長決裁を越えて本部での決裁になった場合でも、支店長の影響力により本部を動かせます。
支店長が取締役になる可能性がある
店格が上の支店長は将来役員になる可能性が高いです。その支店出身の支店長が役員になれば、将来困ったときに助けてくれるかもしれません。
デメリット
偉いだけに扱いが面倒
銀行で出世の早い支店長は数字ができる支店長です。
数字に厳しいと、数字にならない仕事はしたがりません。へそを曲げられると支店長が替わっても影響力が残る可能性があるので、支店長の応対を慎重にする必要があります。
数字とは、例えば融資残高もそうですが、投資信託などの預かり資産、提携クレジットカードなどの入会など多岐にわたります。
事業規模が小さい会社は見向きもされない
銀行では、より多額の融資を行うことが評価基準です。
事業規模が大きいほど融資額も大きくなる傾向がありますから、逆に言えば事業規模が小さな事業者は、あまりかまってもらえません。
店格が高い営業店は取引先数も多いので、それこそ星の数ほどある取引先の一つとして扱われてしまうかもしれません。
配属される担当者のレベルも変わるか
店格が上位の支店であれば多額の融資が通りやすい、ということはこれまで説明しましたが、それは支店長の力だけではなく、直接の窓口になる担当者のレベルで大きく変わります。
稟議書を一から作り上げるのは担当者であり、いくら課長が稟議書の内容を修正したとしても最初に作成した稟議書から大きく印象が変わることはないからです。
この担当者の力量は、店格に関わらず経験年数に左右されるところが大きいのですが、店格が上位の支店は出世ルートでもあるので、レベルの高い行員が多い場合が多いです。
店格の判断方法
一見して店格は判断できませんが、
①都心あるいは商業地に近い。
②支店の面積が広い。行員の人数が多い
③古い。
④合併行の場合勢力が強い旧行支店。
この4つを満たす支店は店格上位の可能性が高いです。
結局どっちがいいか
メリットデメリットの項でも触れましたが、通常必要な融資額が大きければ店格上位の支店のほうがいいです。
また、担当者のレベルがある程度高いことが多いので、テクニカルな融資(外貨建の融資や動産を担保にする融資)の相談は、店格上位の支店のほうがしやすいです。
ただし、取引規模が小さいと見向きもされないので、通常は店格下位の支店のほうが小回りが効くのでおすすめです。
心なしか支店長もおおらかな人が多い印象です。個人事業主、あるいはそれに近い小規模事業者は店格下位の支店を選ぶべきです。