年賀状を書くことは「処理すべきもの」でした。年賀状について思うこと。

当ブログではアフィリエイト広告を利用しています

f:id:a-style:20160103064422j:plain

銀行員時代にちょっとした作業になっていたのが年賀状の作成です。

ぼくがいた銀行では所属する部課店はもちろんのこと、これまでお世話になった方に年賀状を出します。ぼくは役が付く前に退職しましたが、役付前の職員でも年次を重ねると相応の年賀状の量になっていました。年末の忙しい中、なんとか時間を作って毎年何百枚と年賀状の作成に勤しんでいました。

ひとことが大変!

年賀状のキモは「ひとこと添え」ですよね。表面や宛名は印刷できても、ひとこと添えが絶対な雰囲気がありますから、結構苦労します。

仲よくさせていただいていた支店長や上司は良いのですが、さほど深い付き合いのない目上の人に「そこそこの」メッセージを書くことに苦労していました。画一的なメッセージはすぐバレます。こういうときは、その人にあわせたちょっとしたオリジナリティが必要です。

相手にあわせたメッセージではなく、自分の近況なんかを書くとそういったオリジナリティにこだわる必要がなくて書いていて負担が少ないらしいのですが、いざ書いてみようとすると「自分は大したこともしてないしなあ」と更にアタマを悩ませるのでした。

年賀状激減

銀行を退職してからは年賀状のやりとりが激減しました。現職では年賀状を送り合う文化がありません。

そんな中、ありがたいことに銀行時代の何人かはまだ年賀状を送ってくださいます。

そういった方に近況なりメッセージを書くんですが、すげえ書きすぎます。ひとことで足りません三言くらい書いています。ちょっと読みにくいんじゃないかってくらい。反省してます。

こういうときに、読んでいる相手がほっこりするようなことを「ひとこと」で書ける人はすごいですね。ぼくの場合、年賀状をくれる相手とたまにしかやりとりをしないことや、そもそも通数が少ないので、長文が負担にならないから下手くそな字でついつい書きすぎてしまいます。

「処理する」文化

今思えば、銀行員時代は年賀状の作成は「処理する」ものだったように思います。12月27日くらいまでに事務処理しなければならない、重要度も優先順位も高い仕事の一部だったんです。だから、最小の労力でいかに早く終わらせるか、そんなことを考えていました。

銀行員は忙しいから、ついつい目の前のことを処理することだけに意識が集中しがちです。銀行ってお客さんのいるロビーフロアから執務環境が丸見えだから、常に人に見られながら、ミスの許されない緻密な事務作業をこなさないといけません。特に窓口では、お客さんとの距離も近いし、上司に見張られるようなデスクの配置になっているので、若い頃は特に神経ピリピリさせながら仕事をすることになります。

そんなぼくの姿を見て、上司に「処理する」とお客さんの前で口にするのはやめろ、と怒られたことがあります。お客さんを目の前にして「これから処理させていただきます」「少し処理に時間がかかるのでお待ちください」などと言っていたのです。

お客さんからすると「処理」という言葉は良いイメージを持ちません。「自分が銀行に頼んだ仕事は、銀行の大量の事務処理の一部でしかない」と、せっかく来店してくれたのに思わせてしまいます。それからは「お手続きさせていただきます」と言い直しました。自分がいかに「処理目線」で仕事をしていたかがわかります。

年賀状を自分から送ることも、もらうことも少なくなった今では、送る人のことを考えて年賀状を書く余裕があります。自然とメッセージが浮かんでくるようになりました。そもそも送りやすい相手にしか送っていないので当たり前なのですが、こういった形で年賀状のやりとりをすることが、とても楽しく、嬉しく感じています。

手書きの手紙でほっこりする

こうなってくると年賀状だけではなく、突然手紙を送るのもありかな、とも思えてきます。相手に返信負担がない形で、ちょっとしたひとことを送れたら、送られた相手も嬉しいように思います。

こういうときに、さらりとした気持ちの良いメッセージが書きたいです。プラスでもマイナスでも相手の感情を揺さぶるような文章は、手紙に書くべきではないですね。疲れるから。感情が絡むようなことは、できるなら電話や直接会って話すといい。

ネット上では短文でやりとりされることが多いです。ぼくも気をつけているのですが、ネットでは短文で伝えなければならないがゆえに、強い言葉を使って言いたいことや自分の気持ちを表現する必要があります。ときに不用意に相手を不快にさせてしまうこともあります。プラスでもマイナスでも感情の上下が大きいと疲れてしまいます。

また、すぐ送れるがゆえに、すぐのレスポンスも期待されてしまいます。これも疲れる。ぼくはせっかちなほうですが、いつか「すぐ」へのこだわりから脱却したい。

その点、超短文の手紙なら、押しつけがましくないかなと思います。ただ、今の時代住所を晒しあってメッセージをやりとりすること自体珍しいことなので、こういうことができる相手も限られますし、送られた相手はどきっとしてしまいそうですが。

 

今週のお題「年末年始の風景」